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空港法で定義されているように、空港の最も基本的な役割は「飛行場としての役目」です。日本各地から海外まで、様々な目的地に向かう人々を乗せた旅客機の離着陸の場として、空港は欠かせない役目を担っています。また、空港は旅客機のみならず貨物機なども離着陸するため、国内外の物流にとってもなくてはならない存在。さらに国際空港の場合は、飛行場としての役割に付随して出入国の管理、検疫、税関の役割も担うこととなります。

空港内もしくはその周辺には、乗務員の訓練や整備のための施設、ケータリング会社の工場などが設置されているケースも少なくありません。このように空港は、エアライン各社の拠点としても機能しています。海外のエアライン会社では、空港と本社が隣接されている場合もあります。

各空港の設備拡充により、商業スポットやアミューズメント施設として注目を浴びるケースもあります。飲食店のみならず、各売店やショッピング施設がモールのように充実している空港や、展望風呂や宿泊施設まで用意されている空港もあるのです。
また、各空港では定期的に見学ツアーを実施。飛行機に乗らない多くの利用者も楽しませています。

災害時、空港は救命救急活動の拠点としても機能。人員や緊急物資の空路輸送が可能なため、陸路が寸断されるケースなどでは大きな貢献が期待できるのです。この他、避難拠点として空港スペースを活用することも考えられます。

離着陸に必要な設備は滑走路だけではありません。滑走路を含む様々な設備があってはじめて、航空機の安全な離着陸が可能となるのです。

旅客・荷物の積み降ろし拠点となるのが、空港ターミナルビルです。旅客・荷物のそれぞれの積み降ろしを効率的に実施するための設備が用意されています。

空港ターミナルビルには旅客・荷物積み降ろしの設備のみならず、空港利用者が快適に過ごすために配慮された各種施設が併設されています。具体的には、待合室、ロビー、売店、レストランやカフェ、免税店、ラウンジなど。なお空港によっては、ミュージアム、映画館、床屋、ジム、エステサロン、温泉といった施設が併設されていることもあります。

航空機の点検・整備に使用される設備がハンガー（格納庫）です。ハンガーでは入念な点検・整備が実施され、これをドッグ整備と呼びます。

一方、フライト間で実施される点検・整備がライン整備。タイヤの摩耗や外観の異常をチェックし、限られた時間内で効率よく修理や部品交換も済ませる必要があります。
なお、ライン整備の間には飲食物が補充される他、飲料水も給水車によって補充。さらに給油は、地下のパイプラインを利用した給油システムを用い、給油車経由で実施されます。

空港の周辺は、航空機の安全な離着陸のため、障害物の存在しない広大な空域が必要です。これは、「航空交通管制圏」として国土交通大臣が告示で指定した空域。飛行場の標点を中心とした半径9㎞の円で囲まれた区域の上空で、地表面から平均海面高度で3,000ftまでの空域を言います。広大な空域を確保する必要性から、空港は都市部から離れ、アクセスしにくいのが難点のひとつです。問題を解決するために、空港の設置と平行して鉄道、モノレール、橋梁、航路が整備されるケースが少なくありません。

拠点空港は「空港法第４条第１項各号に掲げる空港」を指します。かつての第一種空港と旧第二種空港に該当する空港で、国内外の主な路線をカバーしている点が大きな特徴。なお拠点空港は、以下の3種類があります。

地方管理空港は、国内外の航空輸送ネットワークを形成する上で重要な役割を果たす空港として、空港法第5条第1項に規定されています。拠点空港と比較すると、生活路線がメインとなっているのが特徴。特定地方管理空港と名称が似ていますが、特定地方管理空港は設置が国、管理が地方公共団体であるのに対して、地方管理空港は設置・管理が共に地方公共団体となります。地方管理空港数は54あり、代表的なのは利尻空港、青森空港などです。

共用空港は、空港法附則第2条第1項に規定する空港。自衛隊設置または在日米軍使用の飛行場で、公共の用に供し、政令に定められた空港です。具体的には札幌飛行場、千歳飛行場、三沢飛行場など8つの飛行場が挙げられます。

その他の空港は、空港法第2条に規定される空港において、拠点空港、地方管理空港、公共用ヘリポートを除いた空港のこと。具体的には調布飛行場、名古屋飛行場、但馬飛行場、岡南飛行場、天草飛行場、大分県央飛行場、八尾空港の7つです。

なお、日本国内では空港を要する県が多い一方、栃木県や群馬県、埼玉県、神奈川県、山梨県、岐阜県、三重県、滋賀県、京都府、奈良県の10府県には空港がありません。